新海誠監督の映画すずめの戸締まりに登場する「閉じ師」が実在するか気になりませんか。
映画では実在する地名がたびたび登場するので「もしかしたら閉じ師も実在しているのでは?」と思うかもしれません。
映画では他にも要石など現実に存在しているものも登場しているので、閉じ師も実在しているんじゃないかと感じます。
そして閉じ師が実在するのか知ることで、日本の神話や歴史についても深掘りしつつさらに映画を楽しめそうですよね。
この記事は以下のようなお悩みを持つ方におすすめです。
- 閉じ師が実在していたのか気になる
- 閉じ師が実在していたらどんな人だろう
- 閉じ師に関係する他の神話についても気になる
それでは早速みていきましょう。
閉じ師は実在するのか?
すずめの戸締まりに登場する「閉じ師」は残念ながら実在はしていません。
閉じ師は映画だけに存在する、オリジナルな職業だからですね。
映画で登場する閉じ師は日本各地にある「後ろ戸」と呼ばれる、あの世とこの世を繋いでいる扉の戸締まりが仕事でした。
なぜ戸締まりをしなければならないかというと、後ろ戸からでてきたミミズが地に落ちてしまうと、地震が起きてしまうからです。
映画ではこの後ろ戸が開いてミミズが出てきてしまうのを防ぐために、日本各地を巡っていましたね。
現実世界でも突然扉が開いてミミズが出てきてしまったら怖いですね
このように閉じ師は映画内のオリジナルな職業なので、現実世界には存在していません。
ところが閉じ師に似ている、日本に実在した職業がありました。
閉じ師は実在しないが陰陽師が実在し日本を守っていた
閉じ師こそ実在していませんが陰ながら日本の平和を守っていた、陰陽師が実在していました。
閉じ師は特別な祝詞や鍵を使用して戸締りを行なっていましたが、陰陽師の方々は占いや呪術などを用いて陰ながら日本の平和を守っていました。
両者は共に「見えない世界」への知識や見識が深く、陰ながら日本の平和を守っていた部分に共通点があります。
ちなみに陰陽師は飛鳥時代から明治時代まで存在していたと記録されています。
飛鳥時代には今で言う官僚として国政にも関わるようになり、天皇や公家の良きサポーターとして存在していました。
また政治を揺るがすほどの災いや天変地異を占い、回避対策していたとも言われており陰陽師の存在は日本の国にとって欠かせない存在でした。
陰陽師の中でも特に安倍晴明様は呪術に長けていたと言われ、天狗を封じる儀式をした伝説もあるようです。
いまこうして日本が2000年以上も国を存続できているのは、陰陽師の一助もあったからだと考えられますね。
このように「見えない世界」の知識や見識も豊富な陰陽師が実在しており、両者は陰ながら日本の平和を守っていた共通点がありました。
現在も陰陽師は活動しているの?
陰陽師は今で言う国家公務員として国政にも関わっていましたが、残念ながら現在は陰陽師という職業はなくなっているようです。
いくつか理由はありますが明治政府が、天社神道廃止令を打ち出したこともきっかけになったと言われています。
なおかつ、太陽暦が採用されることになり陰陽師の方々の活躍が減っていったようです。
しかしながら現在も陰陽師の名を継ぐ方々が存在されていて、陰ながら日本全体を守ってくださっているようです。
陰陽師が関わった巨大な結界をふたつご紹介しましょう。
結界は遠い昔の話だけではありません。現代の東京都心にもしっかりと息づいているのです。
たとえば「首都直撃か!?」と進路予想された大型台風が、ぎりぎりのところで東京を避けて不思議に思った、という記憶はありませんか。
あるいは大型台風が急速に勢いを失って、熱帯性低気圧になってしまったり、いきなり速度を上げて、大きな被害が出る前に東京を通り過ぎてしまうといったことがなんとなく多いような気はしませんか。
つまり、東京は何か目に見えない力で守られている――そんなふうに思ったことはないでしょうか。
そうです。こうしたことが起こるのは、東京が結界によって守られているためでもあるのです。
引用元:東京経済ONLINE
このように台風などによるに被害を最小限にとどめようと動いてくださっているとのことでした。
確かに台風がいきなり進路を逸れたり、大事に至らずに済んだケースもあったように感じます。
このように閉じ師こそ実在はしていませんが、大きな災害から日本を守るべく現在も陰陽師の方々が実在されていました。
閉じ師は実在しないが要石は存在する
456.香取神宮要石
参拝647社目
御朱印456体目📝
香取神宮の要石の御朱印を拝受。古くより香取神宮、鹿島神宮近辺は地震が多く、古来人々は地中に大きなナマズが住み、暴れていると考えていました。
香取、鹿島の大神様達が石棒を地中に差し、大ナマズの頭と尾を貫き抑えたとされています。 pic.twitter.com/0rRvYLyYMh
— 参拝KT(神社、御朱印、神様のご紹介) (@KT39905495) January 6, 2024
閉じ師は実在しませんが、要石は現実世界にも存在しています。
日本には4つの要石があります。
要石が存在している県や神社は以下の通りです。
要石が存在している地名 | 神社 |
茨城県鹿嶋市 | 鹿島神宮 |
千葉県香取市 | 香取神宮 |
三重県伊賀市 | 大村神社 |
宮城県加美町 | 鹿島神社 |
日本に実在している要石も映画で出てくるように、地中に刺さり地震の源を鎮めている役割を持つと言われています。
地震の源は映画では「ミミズ」を指していましたが、現実世界では「オオナマズ」や「竜脈」であると考えられています。
諸説はありますが茨城県の鹿島神宮ではオオナマズの頭、千葉県の香取神宮では尾を要石で抑えていると言い伝えられていますよ。
要石は誰が配置したの?
日本神話によると要石を設置したのは、武甕槌大神(たけみかずちおおかみ)様と経津主神(ふつぬしのかみ)様だと言われています。
経津主神(ふつぬしのかみ)様をお祭りされている、香取神宮の公式サイトには2神様方がどのように要石を配置したのか詳しく記載されていたのでぜひご覧になってみてください。
また武甕槌大神(たけみかずちおおかみ)様は武の神、経津主神(ふつぬしのかみ)様は刀剣の神として知られていますね。
この2神様方は天照大神様が生み出した神として君臨し、関係が深く日本書紀では同一視をされています。
そしてすずめの戸締まりにも武甕槌大神(たけみかずちおおかみ)様や、経津主神(ふつぬしのかみ)様を彷彿とさせるようなキャラクターが存在します。
すずめの戸締まり、あまりにも良かったし
ダイジンとサダイジンがめちゃくちゃ可愛かった…
そりゃみんなぬいぐるみ買っちゃうよね#ダイジンといっしょ #すずめの戸締まり pic.twitter.com/UpSnkhjG60— トオノスケ (@tonosukedx) December 15, 2022
映画で登場するダイジンとサダイジンは要石として、ミミズが出てくる後ろ戸と閉じる役割を担っていました。
要石に関わっている点を踏まえて考えると、関係がゼロではなさそうですね。
お役目が2神様方と完全一致しているわけではないけれど、武甕槌大神(たけみかずちおおかみ)様や、経津主神(ふつぬしのかみ)様をモデルにされたのかもしれません。
要石はどこにつながっているの?
鹿島宮社例伝記という古文書によると、要石は地中の最底にある金輪際という場所まで続いていると言い伝えられています。
要石は置いてある石ではなく地中につながる柱という認識で、この柱が日本の大地を支えていると言われています。
そして実際に要石がどこまで繋がっているのか、目で見て確かめようとした方がいました。
それが水戸黄門でお馴染みの、将軍徳川光圀公です。
徳川家光公は側近たちに1日で五メートルほどの穴を掘らせましたが、翌日には掘った穴が元に戻っていて確かめることはできなかったようです。
このお話は茨城県の鹿島市に伝わっている民話として今も親しまれていますよ。
このように要石はどこまで繋がっているか実際に確認できた方はいませんでしたが、日本の大地の最低の金輪際まで繋がっていると言い伝えられています。
閉じ師は実在するのかについてのまとめ
今回は閉じ師って実在するのか要石や日本の神話についても詳しく解説していきました。
すずめの戸締まりに登場する閉じ師は現実世界には存在していませんでした。
しかし閉じ師のように「目に見えない世界」についての知識や見識が豊富な陰陽師が実在しており、陰ながら日本の平和を守っている部分に共通点がありました。
また要石など映画の要所要所に、実在する物質や神話を彷彿とさせることでより「自分ごと」として楽しめるような工夫も盛り込まれていました。